シュッと飛んでくる鶏団子。
床に張り付いた人参のかけらたち。
食べ物は大切に!!と育てられた我々大人達にとって、頭を抱え、ストレスを感じさせる問題。
「赤ちゃんが食べ物を投げる」問題
ネットで調べると色々と対処法は出てきますけど、何がいいかなんてわからないですよね。
それでも毎日3回そのときはやって来る。
でも、いつか投げなくなる日は来るんです。
私が息子と繰り広げた、日々の記録をまとめました。
誰かの参考になれば嬉しいです。
(お急ぎの方は、目次6の「なんで投げるのか原因をさぐる」へ飛んでください)
初期段階(生後10か月頃)
うちの子、離乳食をお腹が受け付けず、ちゃんと消化できるようになったのが8か月の終わり。
それでもなんとかかんとか一気に進み、10か月にはつかみ食べをし始めました。
そんなある日のこと。
いつものように必死に口に食べ物を入れようとする息子。
見守る私。
一つ目が口に入り、次の食べ物掴んだあと、しばし見つめて、おもむろに。
ぽい。
おぉっ!!とうとう、うちの子にも食べ物ポイポイ期がやってきました。
この時は、淡々と食べ物をつかんでは投げ、つかんでは投げ。
「これが仕事なんで。」と言わんばかりに、つかんでは投げるという行為をもくもくとこなしておられました。
ここで悩む私。
今は食べる楽しさを味わう時期…。やっとつかみ食べ出来るようになってきたし、見守るか…。
いや、最初は許していたのにある日いきなりダメっていうのか…?
悩んだ末、とりあえず「投げないよ」といって皿に戻すというところから始めました。
投げたものを皿に戻すのか、投げたものは食べさせないのかも悩みましたが、とりあえず戻す方向で進めていました。
この時の状況のまとめ
- 淡々と投げる。
- 好きなものでも嫌いなものでも関係なく投げる(そもそもまだ好き嫌いがない)
- 「投げないよ」など声をかけても、よくわかっていない。
投げたら皿には戻さず、食事を終了してみる(1歳0か月)
こんな様子で声をかけつつ、基本は見守り姿勢で過ごしていたのですが
やはり投げるのはおさまらない。
そこで、少し対策をねることに。
投げて落としたものはお皿に戻さない
という方法を試してみました。
投げた物はもう食べることが出来ないんだということをわかってもらうのが目的です。
いつものように食べ始め
「ぽい。」
ここで「なげたらめっ!!だよ」と声だけはかけ、これまではお皿に戻していたのを戻さずに様子を見る。
その後も食べたり投げたりを繰り返し、食事終了。
お皿に戻さなくても特にノーリアクションな息子。
うーん。これ、伝わってないな。
試しにもともとお皿の上に乗せる量を少なくしてみたのですが、結果は同じ。
足りなくないのか?まだお腹すいてるんじゃないのか?と思いつつも、「もっとくれ」ともならない。
なんというか、まだ、自分の意思がそんなにないのかな…?
というなんともよくわからない状態でした。
この時の状況のまとめ
- 「投げたらめだよ」と声をかけると、私の顔を見るが怒られているとわかっているのかは謎
- そもそも食べる量も少ない?さほど食に執着もない。
- 好きなものでも嫌いなものでも関係なく投げる。
やっぱりこのままではだめなのでは…と思い始める(1歳3か月)
月日は流れ、息子も1歳3か月。だんだんとこちらのいうこともわかってくるように。
様子を見つつ、声をかけつつ過ごし、少しずつスプーンが使えるようになってくると、前よりは投げる頻度が減ったような…。
でも、まだ投げる。
唐突に。
当たり前のように。
ここでやはりこのままではダメなんじゃないか。と不安がよぎりました。
そこで調べ魔の私はネットで対処法を調べることに。
検索結果はこちら。
- 投げたらとりあえず皿を下げる。泣いてもそこであげたりせず、確固とした意志を持って接する。
- まだ投げる時期。いつかは投げなくなるから見守る。
さぁ、あなたならどうする。
私はここまで見守ってきた。
それでも直らず不安を感じている。
ここは1の方法を試してみよう。
この時の状況のまとめ
- 次第にこちらの言うことがわかってきて、「投げたらめだよ」というとちょっと眉間にしわを寄せたりするようになる。
- 好きなものでも嫌いなものでも関係なく投げる。(少しずつ好き嫌いは出てくるようになったが、好きなものを先に食べるだけで、その後好まないものも食べる)
- 食べ始めのまだお腹がすいているときは投げなくなってきていた。
食べ物を投げたら皿を下げる方法を試してみる
さぁ、決戦の時はやってきました。
はらぺこなので最初は投げずに食べる息子。
しばらくして…。
息子、人参のかけらをひとつ、口に入れる。
次のかけらを持つ。
次の瞬間…。
「しゅっ!!」投げた!!!
しかし、ここで一瞬ためらう私。
まだ一回投げただけだ、ひとまず注意をして、次投げたら下げよう。
「投げないよ」「めっ!だよ」 低めの声で、きっぱりと。
そして再び見守る。
しかし次の瞬間…。
「しゅっ!!」投げた!!
ここぞとばかりに皿を取り上げる私。
「投げるのはめつっ!!」「投げたらおしまい!!」
ひっくり返って泣く息子。
耐える私。
10分後なんとか自分で気分を立て直しおもちゃで遊び始めました。
正直、こんな感じなのがしばらく続くと思うと気が重かったです…。
さぁ、次だ。投げたらいけないんだってことが伝わったのか…?
この時の状況のまとめ
- 1回注意したにもかかわらず投げたところで、叱りながら皿を片づけた。
- 息子は泣いて「まだ食べたい」という意思表示をした。
- 泣いたからもう一度食べさせるということはしなかった。
投げたら下げる。その後のまさかの結果。
心を鬼にして挑んだ決戦の日の晩御飯。
その効果は思いがけない結果となって返ってきたのです。
食事を息子の目の前に置き、いただきますをして食べ始めた二口目で
「ビシッ!!」
まさかの床にたたきつけ。
しかも、お皿からザザザー。
ガガガーン。 なぜ…なぜだ…?
手に持ったものは大好きな人参。口に合わなかったわけではないはず。
この時たまたまだったのかもしれませんが、まさかの反応に戸惑いつつも、決めたのだからと皿を下げる私。
ひっくり返って泣く息子。
途方に暮れる私。
「これじゃあ今日全然食べてない…。」
さすがに心配になったので、寝る前にいつもよりたっぷりミルクを飲ませて寝かせました。
でも、一度じゃわからないのかも…。続けることが大切って書いてあったし…。
しつけは根気。一日じゃわからないに決まってる。
でも、明日もこうだったらどうしよう…。
何が正しいのかがわからずに、ただただ悩む私がいました。
実は、息子はこの時成長曲線が下線のぎりぎり。
むしろもう少し食べたほうがいいくらいの状態でした。
そして、結局、次の日も投げるという最悪の結果。
ご飯の時間が私にとっても息子にとっても苦痛の時間になってしまいました。
それどころか、食事じゃないときも、怒って泣いたりするなど、あきらかにイライラしている様子。
遊びの時間は思い切り楽しい時間にしようと必死でスキンシップをとったり、遊んだりしたのですが、結果変わらず上手くいかず。
こんな状態が3日間。
だめだ…。上手くいかない。むしろ悪くなってる。
これは、私と息子には合わないやり方だったのかも…。
そう思い、考え方を変えることにしました。
この時の状況のまとめ
- 全体的にイライラしている様子が伺われた。
- 投げたら片づけられてしまうということを理解していたかはわからない。
- 3日続けても状況変わらず。
- 食事量が減ってしまうので、いったん時間をおいてもう一度食べさせるなど、食事の回数を増やして対応していた。
なんで投げるのか原因をさぐる
そこで私は、未満児でも、幼児に通じるところはあるだろうと、幼稚園で働いていた時の考え方を活かし、子どもの目線に立って考えることにしました。
なんで投げるのか。
その原因を探ることにしたんです。
息子の投げる様子を見ると、あることに気が付きました。
- 投げるときは、たいてい、口の中にまだ食べ物が入っているとき。
- それ以外だと、食べたくないものを持ったときか、他の食べ物を手に持ちたいときなど別の問題が発生したときに投げる。
- 投げる前に、少しタイムラグがあって、それから投げる。
- 投げることを楽しんでいる様子ではない。
ん…?もしや…もしかして…。
まだ口に入っているのに、他の食べ物を持ってしまって、行き場がないから投げてる…!?
もしくは、食べたくなくてどかしたいから投げてる…?
投げないで置くということを教えてみよう
どうやら投げるのには理由がある→投げる理由を取り除こう
そう考えた私は、息子が食べ物を持って口に入れる様子がなければ、すかさず
「投げないで、ここに置くよ」と言って、別のお皿を指さすことにしました。
さぁ、どうなるか…。
息子、ひとかけら口に入れて、もうひとかけらを手に持つ。
じっとそのかけらを見つめて…。
ふりかぶった!!
「ここに置くよ!!!!」
叫ぶ私。
止まる息子。
すると、ゆっくりと私が指さした皿に、人参を置いたんです。
やった…。これだ…。
見事に息子の思いと私の思いが一致した模様。
息子も「ふむふむ」という顔で納得している。
それからはとにかく根気よく
手に持ったものの行き場に困ったら皿に置く。
ということを教え続けました。
すると、次第に、投げようとした手を自分で止め、皿に置くようになったんです。
この時の状況のまとめ
- 投げる前に声をかける。(まだ口に入っているのに、他の食べ物を持った時点で、「置きたければここだよ」と声をかける。)
- 置くための別の皿を用意して、指さし。視覚で訴える(まだ言葉がよくわかってないため)
- 別の皿に置かせることで、嫌な物をどかしたいという気持ちにもこたえられるようにした。
- 最終的に、一通り食べた後、別の皿の方のどかしておいた食べ物もちゃんと食べていた。
- 声をかけなくてもなげずに置けるようになるまで繰り返し根気よく声をかける。
その後、1歳5か月になるころには、別の皿を用意しなくても、元の皿に置くようになり、1歳半にはスプーンをだいぶ上手に使えるようになってきたので、投げることをほとんどしなくなりました。
まとめ
何も対策をせずに見守り続けても結果は変わらなかったのか。
それは誰にもわかりません。
もちろん、この方法が他のお子さんに効果があるかもケースバイケースです。
特に、投げるということを楽しんでいるようなケースでしたら、また違った方法でないと効果がないと思います。
一般的に食べ物を投げる場合、「おもちゃとの区別がついてないから遊んじゃってるんだ」と言われることが多く、「うちの子もそうなんだ」と思い込みがちです。
でも、大切なことは、ネットの情報をそのまま自分の育児に使うのではなく
子どものことをよく見て、子どもの目線にたって、子どもの気持ちに寄り添うこと。それが大切なのかなと今回改めて思いました。
育児していると、どうしたらいいんだと悩むことだらけですよね。
思わず怒鳴ってしまうことだって沢山あります。
でも、子どもの気持ちを考えられる余裕が持てれば、また違う世界も見えてくるのかも…。
ま、ただのわがままってこともありますけどね。笑
難しいですね。笑