赤ちゃんが産まれていよいよ憧れの授乳。
そんな幸せの瞬間を迎えているはずなのに、なぜか理由もなく不安感やイライラ、嫌悪感に襲われた経験がありませんか。
それってD-MER(不快性射乳反射)が原因かもしれません。
今回は私も産後経験したこの授乳時の不快感について体験談をふまえてお話ししたいと思います。
授乳時の不快感D-MER(不快性射乳反射)とは?
D-MERの定義
授乳開始直前、母乳が放出される瞬間から数分間(中には長く続く人もいる)続く不快感。
D-MERの症状
授乳する際に、不安感や不快感、イライラや自己嫌悪を感じたり、手のしびれや冷や汗といった症状が出ます。
授乳開始直後から数分間でおさまるケースが多いですが、人によってはもっと長く感じる方も。
個人差が大きく、出る症状や程度、感じ方は人それぞれです。
D-MERの原因
ホルモンの影響であると考えられ、母乳を作る際にドーパミンが急激に低下することが原因であるとされています。
母親の出生やそれまでの生活環境との因果関係はありません。
ドーパミン: 快感を与える神経伝達物質、ストレスをD-緩和させたり、意欲や記憶力を向上させる働きがある
まだ最近研究され始めたばかりで、解明されていないことが多い状態です
参考 International Breastfeeding Journal Dysphoric milk ejection reflex: A case report
私の授乳時の不快感はこんな状態でした
私が最初にこの不快感を感じたのは、病院で母乳がよく出るようにマッサージをしてもらった時でした。
私は妊娠中切迫早産で入院していたのですが、退院前日に助産師さんが来て、乳腺が開通するマッサージの方法を教えてくれたんです。
その瞬間ものすごい嫌な気持ちがふつふつを湧き上がって来ました。
- もやもやとした不安感
- やめて!!とさけびたくなる不快感
今まで感じたことのない感覚。
例えると、ハリーポッターで、ハリー達がディメンターに生気を吸い取られるシーンありますよね。
まさにあんなイメージ。
これは参考にした研究文献の方も同じことを言っていて驚きました!!
もちろん嫌だと言えるわけもなく、その時は他人にあまり触られたくないような場所を結構強めにやられたので、それが嫌だったのかなと思っていました。
その後無事出産。
産後はなかなか授乳が上手くいかず四苦八苦。すぐに乳頭が切れて痛みが。
不快感より痛みが勝っていたので、痛みによる不快感だと思い込んでいました。
しかし、最後1ヶ月くらいがたつと授乳をするときに気持ちと身体がグーンと重くなる感覚があることに気がついたんです。
貧血や低血糖の体調にイライラをプラスしたような不快感。
気力が吸い取られて指先に力が入らなくなる嫌な感覚。
いつも時計を見て、あと何分…。
と耐える日々。
私の場合は特に、搾乳機を使用すると強くこの不快感を感じました。
直接授乳すると赤ちゃんに注意が向くのに比べて、搾乳機だと母乳を出すことに集中してしまうので、より感じたのではないかと思っています。
その後生後3ヶ月をすぎる頃には次第に不快感が弱くなっていきました。
授乳時の不快感への対処法とその経過
私が実際に行って授乳時の不快感を和らげるのに効果があったことは
- 飲食しながら授乳する
- 体調が優れないときや辛いときは授乳時間を短く
の2つです。
飲食しながら授乳する
特に甘いものや温かい飲み物が効果的でした。
甘い物をたべると幸福感を感じ、温かい物を飲むと気持ちが和らぎます。
あの独特な不快感とイライラにはかなり効果的でした。
空腹時には不快感をより強く感じました。
体調が優れないときや辛いときは授乳時間を短く
寝不足で疲労していたり、精神的にも疲れているようなときは、授乳時間をいつもより短めにしてその分ミルクを多めに足していました。
ホルモンのせいだとわかるだけでも安心できる
今回お話ししたD-MER(不快性射乳反射)は、まだまだ研究途中で解明されていないことも多いようです。
ただ、この不快感の原因はホルモン。
自分の考え方や性格、周りの環境とは関係がありません。
この不快感から「自分は子育てに向いていないんじゃないか」「自分はどこかおかしいのではないか」と悩まなくても大丈夫なんです。
ホルモンによってこういう症状が出ることもあるのだということを認識しているだけでも安心感をもてますよね。
私の場合はそれほど重い症状ではなく、ほかのことで誤魔化しがきくレベルだったのですが、なかには精神安定剤を処方してもらうくらい重い症状が出る方も。
授乳時の不快感で悩むことがあれば、お医者さんや保健師さんに相談してみましょう。
今後更に研究が進み、世間的にももっと認知が進むといいなと思っています。
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